在庫管理について2
製造業や輸入商品を販売する会社において、リードタイムというものが在庫に対してどのような影響を与えるか把握することはとても重要です。
リードタイムとは
リードタイムとはそもそもどういった概念でしょうか?
簡単に言いますと、商品を発注してから納品されるまでの時間になります。
発注してから納品まで、数日であれば大きな問題は生じないかもしれません。
しかし、製造業であれば、生産を開始してから完成するまで一カ月かかる場合、
生産リードタイムは1カ月です。
輸入販売で海外から船便で2カ月かかる場合、
配送リードタイムは2カ月です。
このような場合、リードタイムを無視して適正な在庫管理は出来ません。
機会損失(チャンスロス)
毎月平均して60個売れる製品の場合、在庫をどの程度もっていればいいでしょうか?
この製品の生産リードタイムが1カ月の場合、月初に在庫を40個持っていれば、適正といえるでしょうか?
60個当月に売れた場合を想定しましょう。
月の真ん中15日までで30個売れました、追加で20個{60-30-(40-30)}の生産を指示しましたが、この製品が完成するのは翌月の15日です。
しかし月内にあと30個お客様に納品しなければなりません。月末までの在庫を式で表すと下記のようになります。
40 ₋ 30 ₋ 30 = ▲20(欠品)
つまり20個の機会損失が発生したことになります。
これはお客様への納品に時間がかかり満足度に影響します。
ですから少なくと生産リードタイムの日数分の在庫(60個)は持っておく必要があります。
適正な在庫量は?
この場合のリードタイムを加味した適正な在庫量は
1か月分の在庫+安全在庫
で求められます。
※安全在庫とは通常必要な在庫に上乗せして、余剰分として保有しておく在庫。求め方は統計的に算出しますが、経験でわかればそれでもOK
まとめ
前回の説明した在庫回転期間(何日間で在庫が売れていくか)と生産リードタイムを比較してみましょう。
在庫回転期間が30日で、生産リードタイムも30日の場合は、1個売れるたびに1個生産しなければなりませんので、在庫を多めに持たないとすぐに欠品になってしまいます。
在庫回転期間が90日で、生産リードタイムが30日の場合は、30日分の在庫を持っていれば、だいぶ余裕があります。追加で受注が来ても1月で生産できるので、90日以内に十分間に合います。
簡便的に説明するため、わかりやすい事例にしていますが、在庫でお悩みの方は一度計算してみてはいかがでしょうか?