売上計上漏れの別表調整

税務調査において期ズレの売上を指摘された場合、あるいは会計締後に売上の計上漏れに気づき決算整理では入力できない場合などは、法人税の申告書で調整することになります。その調整の方法について解説します。

税込売上1,100,000円が漏れていた。消費税率は10%である。税抜き経理を採用している。

このような場合の処理についてまずあるべき税務上の仕訳を考えます。

・会計上の仕訳

なし

・税務上の仕訳

借方貸方
売掛金1,100,000売上1,000,000
未払消費税100,000

・税務と会計のずれを調整する仕訳

借方貸方
売掛金1,100,000売上1,000,000
未払消費税100,000

・別表四の調整

 売上1,000,000円を加算

区分総額留保社外流出
当期利益
売上計上漏れ(加算)1,000,0001,000,000
    
課税所得+1,000,000+1,000,000

・別表五(1)の調整

 売掛金1,100,000円の計上漏れ。納付する消費税の100,000円の計上漏れ

区分期首現在高期末現在高
売掛金1,100,0001,100,000
未払消費税△100,000△100,000
合計1,000,0001,000,000

別表四の調整額は1,000,000円、別表五の調整額も合計1,000,000円で一致させます。

これで別表調整が完了です。

・計上が漏れていた上記の売上は、会計上は翌期に計上されるはずですので、翌期の売上からは税務上は除く必要があります。

・会計上の仕訳

借方貸方
売掛金1,100,000売上1,000,000
仮受消費税100,000

↑は期がズレて翌期に計上された仕訳です。

・税務上の仕訳

借方貸方
売上1,000,000売掛金1,100,000
仮受消費税(未払消費税)100,000

税務上はすでに課税済みなので、売上を取り消す仕訳です。

・別表四の調整

区分総額留保社外流出
当期利益
売上計上漏れ認容(減算)△1,000,000△1,000,000
    
課税所得△1,000,000△1,000,000

・別表五(1)の調整

区分期首現在高期末現在高
売掛金1,100,0001,100,0000
未払消費税△100,000△100,0000
合計1,000,0001,000,0000

※消費税の申告書作成時には、上記1,100,000円を課税売上から除くことを忘れずに。

翌期の消費税納税時には、BS未払消費税計上額と、実際に納付する消費税の額には100,000円の差があるはずです。

たとえばBS未払消費税が5,000,000円の場合、実際納付額5,100,000円(売上計上漏れの消費税が10万あるので)になります。消費税差額が発生します。

その時の仕訳が下記のようになります。

借方貸方
未払消費税5,000,000現金5,100,000
租税公課100,000

そして翌期の決算のとき、消費税の決算整理仕訳では雑収入に100,000円の消費税差額が発生します。なぜなら仮受消費税に含まれる100,000円は前期に課税済みなので、消費税の計算上除くからです。そのときの仕訳は以下の通り。

借方貸方
仮受消費税XXXXX仮払消費税XXXXXX
未払消費税XXXXXX
雑収入100,000

上記の租税公課と雑収入が打ち消しあって消費税の調整は損益に影響を与えていないことがわかります。