外貨建取引の換算方法について法人と個人事業主の違い
法人と個人事業主の外貨換算について異なる点を調べました。
外貨建取引の意義
まず外貨建取引とはなんぞや、ということですが、売買価額や取引金額が、外国通貨により表示されている取引のことです。
換算方法について
・発生時換算法・・・取引発生時の外貨レートで換算する方法
・期末時換算法・・・期末時点の外貨レートで換算する方法
・継続適用を要件に前月末のレートや、前月の平均レートなどで換算する方法(いわゆる社内レート)も採用できます。
また為替レートには、TTB(電子買相場)、TTS(電信売相場)、TTM(仲値)がありますが、原則はTTMとなります。継続適用を要件に、資産または収益についてはTTB、負債または費用についてはTTSを使用することも可能です。
法人と個人の換算の違い
法人
法人税法では、換算方法について事前に税務署に届出をして、選択することが可能です。届出をしない場合は、法定換算方法による換算となります。オレンジ色の文字が法定換算方法です。
外貨建資産等の区分 | 換算方法 | |
外貨建債券債務 | 短期 | 発生時または期末時 |
長期 | 発生時または期末時 | |
外貨預金 | 短期 | 発生時または期末時 |
長期 | 発生時または期末時 | |
外国通貨 | 期末時 |
個人事業主
個人事業主(所得税法)において、期末に保有する外貨建資産、債務について、どのように換算するかを探したのですが、ほとんどネットではわからずでした。が、条文等を確認することでなんとか理解しました。というか条文では明確に換算方法を定めていないことがわかりました。
個人事業者が事業用の外貨預金を持っている場合、ついつい期末(12/31時点)のレートで換算しそうになりますが、そうではない。そうではなく所得税の条文上定めがないため、過去の判例等によれば総平均法に準ずる方法が合理的であると示されています。
ここでいう総平均法に準ずる方法とは、総平均法や移動平均法による換算ということです。つまり外貨口座の中には、レートの異なる外貨が積み重なっているため、そこから出金した際には、どのレートの外貨が出金されたのか不明です。したがってその出金直前の外貨残高と日本円の残高で平均レートを算出して、そのレートで出金額を換算します。ですので期末に換算替えをするという発想はないのです。
参考までに
同様に預金だけでなく、外貨建売掛金等にについても特に定めがないため発生時のままでいいものと解されます(あくまで私の考えですのであしからず)
もちろん日々の取引については、発生時換算法や前月平均レートなどで換算替えすることが必要ですし、外貨売掛金が円口座に入金されたときは、為替差損益を認識する必要があるのは当然です。そこは法人税と一緒。
違うのは期末の換算の方法でした。
まとめ
法人税と所得税の外貨に対する取扱いの違いが新鮮でした。個人に期末換算をもとめるのは確かに難しい気がします。
ただ移動平均で評価ってエクセル等で受払を管理しないといけないので、それもなかなかハードルが高いですね。