消費税差額の見つけ方

消費税の決算仕訳の際、消費税差額が予想より大きくなって原因を調べるときの方法についてまとめました。

そもそも消費税差額とはなんでしょうか?

以前にも記載しましたが、控除対象外消費税(共通課税仕入や非課税対応課税仕入れのうち控除できないもの)を加味しても、発生する差額です。借方差額は租税公課や雑損失、貸方差額は雑収入に計上します。

その差額が大きい場合に私が検証している方法があります。

使用している会計システムにもよりますが、各勘定科目別に課税区分に応じた課税売上や課税仕入れを集計する機能です。

この機能を使って、例えば、旅費交通費の課税仕入(税抜)が500万だった場合、仮払消費税が約50万ほど発生しているはずです。

しかし、仮払消費税が45万だった場合、仕訳上では課税フラグがたっているものの、仮払消費税が認識されていない可能性があります。

よくあるパターンとしては、国内出張の航空券代が当初謝って免税仕入で入力されていたが、途中で誤りに気づき、消費税区分を課税仕入に修正した。しかし何らかのエラーにより、仮払消費税が認識されていないため、結果として、課税仕入れの区分の仕訳に集計されるが、それに対応する消費税が0円で集計されている、という状態です。

この機能で、各勘定科目で間違いのアタリをつけ、検証箇所を絞っていきます。

上記の場合、大きい企業では、2万、3万のズレでは勘定科目別の消費税集計表では判断がつかないことがあります。

売上が20億円の場合、仮受消費税の2万のズレは0.001%に過ぎません。本当に正しく経理して端数処理の関係でズレているのか、入力間違いなのかわかりません。(そもそも、20億円の売上の会社で、仮受消費税の2万、3万のズレを検証する必要があるのかどうかは、この際置いておきます)

そこで、元帳をエクセルで切り出して、課税取引のみ抽出して、税抜金額に10%を掛けて消費税の理論値を計算します。そして、その仕訳から実際に計上されている消費税と理論値との差額を出します(エクセルなので結構簡単にできます)。

その差額にフィルターをかけて、例えば1万以上の差額の出ている仕訳を抽出します。このようにして元帳からでも変な仕訳を見つけることができます。

実際には、私はまず勘定科目別の消費税集計表で、ある程度勘定科目のアタリをつけて、次に元帳をエクセルで切り出して検証しています。これでほとんどの変な仕訳を発見することができます。