在庫管理について

 在庫管理の目的は、その企業にとって適正な在庫を把握し、供給不足や過剰在庫を防ぐことです。

適正に管理することにより、在庫コストの削減や、お客様の満足度を高めることにつながります。

在庫回転期間とは、在庫をどのくらいの期間で販売したかを表します。回転期間が短いほど商品が効率的に回っていると判断できます。

在庫回転期間の長期化は、在庫が滞留しており不良在庫が存在している可能性が考えられます。在庫の長期化は在庫の購入にかかった現金を回収できていないことになりますので、資金繰りに悪影響を与えます。

〇在庫回転期間の求め方

在庫回転期間 = 平均在庫 ÷ 売上原価(売上高) × 365日

上記式の分母は売上原価で計算するとより正確な期間が算出できます(売上高には利益部分も含まれているため)
平均在庫は、(期首在庫+期末在庫)× 1/2 でOKです。

期首在庫500 期末在庫600 売上原価5,000の場合であれば、

平均在庫は(500+600)× 1/2 = 550

在庫回転期間は 550 ÷ 5,000 × 365日 = 40.15日 つまり 在庫は約40日で売れていく計算になります。

よく似た言葉に在庫回転率がありますが、こちらは一定期間に販売された在庫がどれだけ回転したかを示す指標です。回転率が高いほどよく売れていることを意味し効率的な在庫管理ができていると判断できます。

〇在庫回転率の求め方

在庫回転率 = 売上原価 ÷ 平均在庫 

上記の例でいくと

在庫回転率は 5,000 ÷ 550 × = 9.09・・・ つまり期中に9回在庫が入れ替わったことになります。

 ABC分析は、商品カテゴリーごとに分類して優先順位の高いものから管理していく手法です。

商品を売上高や利益、コストなどでA、B、Cの3つに分類します。

・カテゴリーA 売上や利益が大きい、自社にとって重要な商品(2割の商品で売上の8割を占める、いわゆる8:2の法則に当てはまる)

・カテゴリーB 真ん中の商品群

・カテゴリーC 売れ残りがちな商品群、重要度は低い

カテゴリーAについて徹底的な管理分析を行い、適正な在庫を維持する。その一方でカテゴリーCは簡便的な管理(安全在庫数を切らないようにするだけなど)をおこない、強弱をつけてより効率的に管理することができます。

中小企業庁などで公開されている同業他社の統計データや、自社の前期、前々期との比較などを通じて、在庫が適正になってるかを比較します。在庫回転期間が長くないか?長い場合は在庫の持ちすぎか?売上が減少しているのか?などなど分析し経営に生かしていきましょう。