負担付き贈与
不動産とともに借入金などを贈与する場合には注意が必要です。
負担付き贈与とは
通常の贈与と負担付き贈与はどこが違うのでしょうか?
負担付き贈与は、贈与者が財産を贈与する際に一定の負担を受贈者に負わせる形で行われる贈与のことです。
マンションを贈与するかわりに、マンション購入にかかった借入金の返済を負担してもらう場合などが該当します。
負担付き贈与に係る税金
通常の贈与には贈与税が課税されます。贈与税は以下の算式で計算されます。
(贈与された財産の価額ー基礎控除)× 贈与税率 ー控除額 = 贈与税額
ここでのポイントは、『贈与された財産の価額』です。
『贈与された財産の価額』は一般的には相続税評価額となります。
土地ならば路線価、建物なら固定資産税評価額などです。これらの価額は一般的に実際の取引価相場よりは低く評価されます。
路線価は取引相場の8割、固定資産税評価額は取引相場の7割と言われております。
しかしながら負担付き贈与の場合は、『贈与された財産の価額』は相続税評価額ではなく、通常の取引価額(時価)で評価しなければなりません。
事例
親から子へ以下の財産を贈与した場合
①土地(通常の取引価額)1億円 相続税評価額 8,000万円 (15年前にこの土地を6,000万円で取得)
②借入金 8,000万円
イ.子の税金
土地の相続税評価額は8,000万円、借入金も8,000万円なので、実質的に贈与したものは0円で贈与税はなし、とはなりません。
土地の評価は通常の取引価額である1億円となり、1億円ー8,000千万=2,000万円 が贈与税の対象となります。
(2,000万ー110万)× 45% ₋ 415万=435.5万円の税負担となります。
ロ.父の税金
ちなみに父の方は、8,000万円の借金がなくなるので、その借金である8,000万円で土地(6000万で取得)を売却したと考えます。
つまり、8,000万 - 6,000万 = 2,000万円の譲渡所得が発生します。所得税及び住民税の税率は20.42%ですので、
2,000×20.42%=408.4万円の税負担となります。
まとめ
借入金であれば目につくのでわかりやすいですが、テナントビルなどを贈与する際に、預かり保証金(債務)なども一緒に贈与すると負担付き贈与に該当してしまいます。
そうすると思わぬところで課税されてしまいます。くれぐれも慎重に検討してください。