経理の自動化ってどこまでできる?
目次
会計システムの機能をフル活用してますか?
自社の会計システムの機能をフル活用している会社様ってどのくらいいるのでしょうか?
中小企業だと経験的に10%もないんじゃないかと思います。もちろん機能は把握しているが、あえて利用していないという会社様もありますが、機能自体を知らないという会社様も結構いると感じています。
我々税理士側の案内不足という側面もありますが、すべての会計システムに精通しているわけではないので、一度経理担当者の方はメーカーに確認してみてもいいかと思います。
なぜこのような話をしているかというと、会計システムをフル活用すればかなりの仕訳計上を自動化できるからです。
ネットバンキングとクレジットカード明細の取り込み
私が過去使用してきた会計システムについてお話すると、ネットバンキングと会計システムを連動させることで、日々の銀行口座の入出金を自動で会計システム側に取り込むことができます。またクレジットカードの明細も同様に会計側に取り込めます。
最低限の確認は必要ですが、何カ月か繰り返すと、取引先名から自動で勘定科目も判定してくれるようになります。(オオサカガスなら水道光熱費のような感じ)
当然、日付、金額などは自動で読み込み、消費税区分や勘定科目、取引先などを確認し、問題なければ仕訳として計上することになります。
現金出納帳のCSV読み込み
現金出納帳も一定のフォーマットにすれば、CSV読み込みが可能です。
ですのでお客様にはそのフォーマットに沿った形で現金出納帳を作成頂き、エクセルでデータをもらうことになります。少し加工して読み込み可能な形式にすれば、あとは会計システム側で読み込むだけの作業になります。
給与データの連動
会計システム会社が提供している給与計算ソフトを利用すれば、大抵は給与仕訳の連動も可能です。また同じメーカーでなくても互換性のあるところもありますので、給与データもある程度は連動させることが可能です。
仕訳データ(買掛金や未払金)から銀行振込データに変換
会計システム側に、仕入先のデータ(社名、振込口座、支払条件など)をあらかじめ登録することで、仕訳データから振込データを作成することができます。
たとえば月末締めの翌月末払いの仕入先が30件あっても、その30件の仕訳さえ計上できていれば、まとめてその総合振込データをネットバンキング側に取り込んで送金することが可能です。つまり請求書を見ながらネットバンキングで送金日や出金額などをベタ打ちしなくても済むということです。一件の請求書について、仕訳で1回、振込時に1回、計2回金額を打ち込んでいることになりますが、その無駄を省けるということです。
さらに振込後の買掛金等の消込仕訳も自動で計上できるものが多いと思います。
上記以外の仕訳は?
上に挙げた取引以外の自動化はどうでしょうか?
最近では、紙の請求書をスキャンして仕訳にするサービスが各社から出ているようですので、そのようなサービスを利用すると大体の請求書やレシートの類は自動仕訳が可能となるのではないかと思います。
その様なサービスと銀行振込データとの連携を使えば、一度も金額や取引先名を入力することなく振込まで完了できるということです。
まとめ
すべての会計システムを調べたわけではないので、うちのシステムにそんな機能はない!という会社様もあるとは思いますが、ただある程度の有名な会計システムではこれらの機能はついているのではないかと思います。
もちろん上記の機能やサービスはデフォルトのものもありますし、有料のものもあると思いますので、そこに係るコストと事務負担を天秤にかけて、元が取れるなら自動化を進めていくべきではないかと個人的には考えます。